さりげない優しさがとっても嬉しい
車いすの我が子とまちで過ごしていると、コンビニやファミレスの入口で出くわした他のお客さんが、ドアを開けて「どうぞ」と優先させてくださったり、エレベーターの乗り降りの際、ドアの「開」ボタンを押しててくださったり、近所ですれ違う時に、笑顔でこんにちはを言っていただけることがあります。
いつもそういうことを当たり前にされている方にとっては特別な事でもなんでもない事かもしれませんが、実はそういうさりげない優しさが、私たちにとってはとても嬉しいのです。
そういうことができる方は、たぶん、私たちのような世の中では少数派の人間のことも、「自分とは関係ない他人事、無関心」で済ましてしまわないで、自分に引き寄せて想像を働かせてお手伝いをしてくださっているのだと思います。
その、私たちをおもんばかってくださる気持ちが、私たちが普段世の中に対して感じている「疎外感」のようなものを拭い去ってくださる気がします。
あらためて、私が周りの方に手助けしてほしいことって何だろう・・・と思い巡らすと、結局は具体的な手助けというより、気持ちの面なのかもしれません。
障がいのある子を育てていくしんどさを「分けっこして一緒に考えてくれようとする気持ち」。
自分ひとり、ないし、家族だけで背負うには、あまりにも不安要素が多いこれから先の人生に途方にくれる時、「できることがあれば手伝うよ」と、横に並んでいてくれる人の存在に、どれ程救われることか・・・。
日本人って「人様に迷惑をかけてはいけない」とか、「自分のことは自分で」っていうのが染み付いていますが、この頃はあえて「助けて」を周りの方に発信していくいく勇気も大切なのかな・・・とも感じています。
周りの方の優しさを信じて。
【こども・脳性まひ(知的重度・身体全介助)】